ツインズ弟の誕生まで

兄・ユウの誕生で止まってしまっていた双子の出産回顧録。
このままでは回顧が終わる前に第3子が生まれてしまうじゃないのっ!
急がなきゃ!
焦りながら思いは3年前へ・・・

それまでの回顧録はカテゴリ「双子妊娠回顧録」「双子出産回顧録」をどうぞ。

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ザーーーーーーーー という途切れることのない雨音の中、ツインズ兄が生まれた。

通常、出産してへその緒を切ったら「おめでとうございます~」と助産師さんが赤ちゃんをママの胸元に持ってきてくれるのだろうが、私の出産は通常ではない。

兄はあっという間に分娩室の隣室に連れていかれ、小児科の先生の診察を受ける。

おめでとうを言われたかどうかも覚えていない。

しかし、1人生まれたら、急に体も気分も楽になった。
「よっしゃ、あと一人だ!」と俄然やる気が出た。

程なくして再度陣痛がやってきた。

ぬぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!

最後の力を振り絞る。

私が息むのと同じタイミングで、私のすぐ隣にいたメガネ先生が私のお腹をぐぐーーーっと押した。

すると、まさに「スッポン!」という感じでツインズ弟誕生。

そしてまたしてもあっという間に隣室へ連れて行かれる弟。

しかし、今度はなかなか産声が聞こえない。
助産師さんたちが何とかして泣かせようとしている気配がする。

大丈夫かな・・・?一抹の不安がよぎる。
しばらくしてからか細い産声が聞こえたので、皆安堵した。

その後小児科のドクターがツインズの容体についていろいろ説明してくれたのだが、なんだかもうあまりよく覚えていない。
とりあえず大丈夫とのこと。
でも未熟児だし、NICUのある長岡日赤に搬送される可能性が高いということ。
それだけは理解できた。

 
ハァ・・・

全てを終えた私は分娩台の上でしばし放心状態。
初産のくせに陣痛が起こってから1時間で2人産んでしまったという超スピード分娩。
ついさっきまでパンパンだったお腹が、もうそこにはない。
なにせあっと言う間の出来事だったので気持ちがついていかない。

なんだこりゃあ・・・

というのが素直な感想。

そして、

出産て、出産て、めちゃくちゃ大変じゃないかっ!!
みんなよくこんなことを2回も3回も繰り返す気になるなー。
アタシはもうこれっきりでいい、もうこんな思いしたくないっ!

そんなことを思っていると、私の胎盤を洗っていた助産師・金田さんが「タジーさぁん、胎盤見るぅ?」と明るく言ってきた。

正直、そんなグロいもの見ても見なくてもどっちでもいいという感じだったが、なんとなく「あ・・・はい」と答えてしまった。

銀色のバットに入れられて私の胎盤ちゃんが登場。

「こっちがお兄ちゃんので、こっちが弟くんの。」

金田さんは両手にそれぞれの胎盤をびろーーーんと持ち上げてくれた。

それは、かなり衝撃的な画ヅラだった。

あれをなんと表現したらいいか、タコの頭に中尾彬のねじねじスカーフが付いたようなもの、という表現が私の中で一番適切かもしれない。

弟の胎盤の方がデカかった、というか、長かった。
それもそのはず、出生時の体重、兄・1545グラム。弟・1955グラム。
弟の方が400グラムも大きかったのだ。

 
・・・出産後はそのまま分娩台の上で2時間ほど休むことになっている。
2時間って長いかと思いきや、あっという間に時間が過ぎた。
朝5時半、私は車いすに乗せられて病室に戻った。

その間、一度もツインズの姿を見ることはなかった。

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真夜中の陣痛

今回からいよいよ双子の「出産」回顧録になりまする。
っつーか、回顧録書き終えてないのに第3子妊娠しちゃったよ、あたしゃ(苦笑)
この子の妊娠記録も書かなきゃなぁ・・・。

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2005年6月27日(月)、とても蒸し暑い夜だった。

消灯後、その日準夜勤の玉川さんがやってきて少し話をした。
もうすぐ出産しそうな人が陣痛室にいて、出産したらこの部屋に入るから、とのこと。

私が入院している部屋は2人部屋。
何人か退院する人を見送って、今は私一人で悠々と使っていたのだが、久しぶりに相部屋になるんだ。

夜11時過ぎくらいだろうか、玉川さんがベッドをカラカラと押して部屋に入ってくる気配がした。

ああ、来たんだなぁ・・・
そんなことを思いながら眠りについた。

日付も変わり、6月28日午前2時。
トイレに行きたくなって目が覚めた。
妊婦は大きなお腹で膀胱が圧迫されるためトイレが近いのだ。
よっこらしょ・・・とゆっくり起き上がりトイレに向かう。

ザーーーーーーーー

雨の音がすごい。
確か大雨警報が出ていたなぁ・・・
雨音を聞きながら再度眠りにつこうとしたそのとき、


・・・ズキン!!!


今まで感じたことのない痛みがお腹を走り、これは絶対ヤバい種類の痛みだと確信した。

ナースコールを押すと、夜勤の助産師・ヤベちゃんがやってきた。

どうしました?

さっき急にお腹が痛くなって・・・・と言いかけたところで再度痛みがやってきた。

今度は水っぽいものが出てきた感触もあって、

あ!なんか出てきた!!!と小さく叫んだ私。

とりあえず診察することになった。
ヤベちゃんに支えられながら診察室まで歩いて行ったのだが、ものの20メートルくらいの距離なのに、定期的にやってくる激しい痛みに襲われ、休み休みゼイゼイ言いながら歩く。

内診してくれたヤベちゃんが「4cmか・・・」とつぶやく。
つまり、子宮口が4cm開いているということ。

診察室から陣痛室に移され、先生がやってくるのを待つ。

とにかく陣痛の痛みが予想以上で、先生を待つ間ベッドの柵を握りしめながらこらえた。顔は汗と涙でグッチャグチャだったと思う。

10分弱くらい待っただろうか、おじいちゃん先生が到着して診察してくれた。

もう子宮口全開してる。今から救急車で日赤に運ぼうとしても、運んでる途中で生まれちゃうから、ここで産みましょう

そう言われた。

私は「ハ、ハイ」と答えた。
というか、ハイとしか答えようがない。


で、産みましょうって言ったけど、どうやって?

今から帝王切開すんの????


私の頭の中が「????」になる。

病棟がにわかに騒がしくなった。

通常はドクター1人、助産師1人で行われる分娩も、双子で未熟児が生まれるということで、ドクター2人、助産師2人で行われることとなり、深夜3時前にも関わらず非番の先生・助産師さんに召集がかかる。
そして小児科のドクターにも召集が。
自宅でお休み中呼び出しをくらった皆さま、本当に御苦労さまです。

分娩台に上ると、ヤベちゃんがテキパキと消毒をしてくれたり、足にカバーをかぶせてくれたりした。
この時点でやっと「自然分娩で産むんだ」と気づいたアタシだった。(遅っ)

分娩台の背もたれが電動で起こされたそのとき、私の左手に刺さっていたウテメリン点滴が引っ掛かり、ガラガラガッシャーーーーン!!!と大きな音を立てて倒れた。

ごめんなさいっ!

ヤベちゃんが謝る。

テキパキ動いているヤベちゃんだけど、やっぱり緊張してるんだろうなぁと思った。

その後もちろんウテメリンは外され(もう陣痛来ちゃってるからね、お腹の張り止めの点滴は必要ないし)、あとはいよいよ産むだけとなった。

だがっ、

どうやっていきめばいいのか分からない。

なぜなら、どうせ帝王切開だろうと思っていたアタシは、ラマーズ法講習を真面目に受けていなかったのだ。


い、いきみ方が分かりませんっ!!


この期に及んで間抜けな発言をするアタシ。

ヤベちゃんや先生の指導で思いきり息を吸い、分娩台の握り棒をつかんでふんばる。

目は閉じちゃだめ!開いてて!

そう言われたけど、力を入れるたびに目が閉じそうになる。

ここで閉じたままいきむと目の周りの毛細血管がブチブチ切れて、後で顔がえらいことになるらしい。

力の入れどころも微妙に違うのだ。
お尻に入れる。
大きなうんちをするようにふんばるのだ。

しかし、ここで問題が・・・・

恥ずかしながら、私は「地主様」だ。
資産にもならないモノを持っている。
うんちも出ないのにお尻に強烈な圧力をかけると大変なことになってしまう。


んーーーーーーっ・・・・!!!!


いきみ続けているとやはり地主様が登場しそうになってしまうので、ヤベちゃんが肛門を押さえてくれた。
こんな恥ずかしいことはそうそうないが、当時の私は恥ずかしさを感じる余裕はなかった。とにかく痛い!苦しい!
地主様が登場しようが、ヤベちゃんにそれを見られようが、どーーーーーでもいい!!とにかく早く産んでしまいたいっ!!



ぬおおおおおおーーーーーっ!!!


3週間に渡る入院生活で私の足腰はすっかり衰えており、しばらく踏ん張っていると、膝がガクガクして力がうまく入らなくなってきた。

足がっ、足が~・・・・

弱気になりかけたそのとき、

おじいちゃん先生が「おっ!頭が見えた!」と言った。


うおおおおおーーーーーーっ!!!


再度ふんばるアタシ。

下りてきたよ!もう少しだ!


ふんぬぬぬぬっ!!!!


力を込める。

頭が出た!!

はい、いきむのを止めて!!

メガネ先生が分娩台の握り棒をしっかりつかんでいる私の手を引き離した。


・・・ホギャー・・・ホギャー・・・


小さな産声が聞こえた。
どうやら1人出てきたようだ。


続く。

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